「Figuier 1968」は、Whispering Elm Hollowが2009年に最初に作ったフレグランスです。名前の「1968」は、調香師Céleste Moriの祖母の庭に植えられた楡の木の年から取りました。この香りを作るのに、最初の試作から満足できる仕上がりになるまで、約1年かかりました。

無花果の葉のアブソリュートについて

無花果の香りを作るとき、多くの調香師はシンセティックの無花果ノートを使います。天然の無花果のアブソリュートは非常に高価で、収穫量も限られているからです。「Figuier 1968」では、グラースの小規模農家から直接仕入れた無花果の葉のアブソリュートを使っています。葉のアブソリュートは果実のそれとは異なり、青みと苦みがあります。夏の終わりに木の下に立ったときの、あの少し青くて乾いた香りに近い。

シダーウッドとの組み合わせ

無花果の葉のアブソリュートだけでは、香りが平面的になります。奥行きを出すために、モロッコのアトラス山脈産シダーウッドを核に据えました。シダーウッドは乾いた木の温もりを持ち、無花果の青みを支えながら、時間とともに前に出てきます。最初の試作では、シダーウッドの比率が低すぎて、無花果の甘みが勝ちすぎました。比率を調整するのに6回の試作が必要でした。

プロヴァンスの白い石:ラボダナムの役割

「Figuier 1968」のベースには、ラボダナム(シスタス)の樹脂を少量使っています。プロヴァンスの岩場に自生するシスタスの樹脂で、太陽に温められた石のような、乾いた温もりがあります。この成分は香りの中では目立ちませんが、無花果とシダーウッドを「場所」に結びつける役割を果たしています。ノルマンディーではなく、プロヴァンスの夏の午後の記憶。

毎年少量だけ製造する理由

「Figuier 1968」は毎年、グラースの農家から届く無花果の葉のアブソリュートの量に合わせて製造本数を決めています。多い年で120本、少ない年で80本。原料の量が製造量を決めるので、在庫が切れたら次の収穫まで待つことになります。これは意図的な希少性ではなく、原料の現実です。

「Figuier 1968」のサンプル(2ml)は¥800でご購入いただけます。本製品(50ml、¥24,000)をご購入の際は、サンプルで試してからをお勧めします。